英語を使って働く

英語を使って働く

 

語学力を活かす仕事として大使館勤務という発想をする人がいるかもしれませんが、実情としてはイメージにそぐわない一面があると思います。

 

まず、世界各国にある日本大使館ということであれば、まず仕事を得るのは無理です。求人自体がありません。日本から派遣される大使館スタッフというのは全員国家公務員です。

 

従って、公務員試験に受かることが大前提となります。

 

清掃員や事務員といった一般スタッフは、現地採用が基本なので日本に住む人が応募するのは、まず無理です。(現地在住の日本人であれば応募可能です。)

 

では、日本にある各国の大使館だと、どうでしょうか?

 

こちらは現地採用枠として日本で求人を行っているので、こちらであれば可能性はあります。実際、このルートで採用されて働いている日本人はたくさんいます。

 

主な職種は事務スタッフですが、稀に営業職での求人も発生します。その国の企業の日本市場進出をサポートするような仕事であり、商社での勤務経験や海外取引の経験がある人は優遇されます。

 

そのほか、清掃員や警備員、厨房スタッフといった職種での求人もありますが、民間企業に委託するようになってきているので、だんだん大使館が直接、採用することはなくなってきています。

 

語学の重要性は?

 

これらの職種における英語の活用度は、どうなのでしょうか?

 

これは職種によって違います。

 

事務スタッフだと、英文を読んだり書いたりする作業は多めになりますが、話すということに関しては、それほどでもありません。

 

日本在住の人に対するパスポートの発給など、市役所の窓口のような仕事もあり、そこで英語でのコミュニケーションが発生しますが、手続きはパターン化しているので、決まったやりとりを繰り返す感じです。

 

清掃員や警備員、厨房スタッフといった仕事だと、全く英語を話す機会がなかったりします。リーダー役の人だと、大使館スタッフとのやりとりが発生しますが、下の立場の人は、ひたすら作業するという状態で終わるので、英語を活用する頻度はそれほどでもありません。

 

ただし、それでも英語が出来ることが、採用条件として入っていることが少なくないようです。

 

営業職の場合、企業担当者とのやりとりがあるので、英語の使用頻度は高くなります。ただし、その反面、日本の役所や日系企業との交渉も重要な仕事となるので、日本語を使用する割合のほうが多いでしょう。

 

このように、大使館で働くというのは語学を活かす仕事というイメージだと、ちょっと期待外れの部分が出てくると思います。

 

英語を活かしてバリバリ働くということであれば、外資系企業や海外企業との取引がある日系企業のほうが向いていると考えたほうがいいでしょう。