大使館の仕事内容

在日大使館において、現地スタッフとして採用された時には、どんな仕事に関わることになるのでしょうか? 大使館における業務内容というのは事務サポートのような裏方的な仕事から、高い専門スキルを発揮してバリバリ働くプロフェッショナルな仕事まで、多岐に渡っています。

 

大使館の仕事内容

 

このページでは、そのなかでも代表的な仕事内容をリストアップしてみますので、参考にしてみてください。

このページでまとめている仕事というのは、大使館から一般公募されているものに限定しています。警備会社から大使館に派遣されて働く警備員のような仕事は除外しています。

 

1:秘書業務

大使や公使を含む主要スタッフの常設秘書として働くとい仕事です。スケジュール管理やMTGの設定、出張に伴う宿泊先や交通手段の手配等、諸々のサポート業務を担当することになります。場合によっては、通訳を兼ねるケースもあるようです。

 

また、これは今でもあるのかどうか分かりませんが、過去には家族の日本生活のサポート(病院や買い物に同行したなど等)を行うといったことが業務に含まれることがありました。

 

2:一般事務

事務スタッフといっても、どのような役割が求められるのかというのは、その都度違いがあります。最も多いのが、領事業務(自国民に対するビザの発給などを行う、市役所の窓口業務のようなもの)や備品の管理・購入手配といった総務・庶務業務です。小さな大使館だと、事務業務と秘書業務を兼任するケースが珍しくありません。

 

3:広報・マーケティング

最近の傾向として、自国企業の日本市場進出を支援するというのが、大使館にとっての重要な役割となってきており、商務部から現地採用スタッフの募集案件が出ることが多くなっています。

 

PRイベントを開催する、インターネットや紙媒体(雑誌、新聞等)を使った宣伝活動を展開する、日系企業や役所への営業をかけるといったことが主な業務内容となります。自国企業と日系企業との商談の場をセッティングしたり、通訳兼コーディネーターとして商談に同行して、交渉をサポートするといった役割も求められます。

 

フルタイムスタッフとしての採用となり、600万円ぐらいの年収が提示されるケースが普通になってきています。営業やマーケティングの経験がないと、まず採用されることはありませんが、かなりやり甲斐のある仕事ですし、契約終了後は、その国の企業にスカウトされて転職するなど、ビジネスマンとしてのキャリアアップにもつながる仕事です。(大使館やその国の企業との人脈も作れるので、日系企業からも重宝されます。)

 

4:リサーチ

日本社会や経済、政治に関するリサーチを行い、今後の外交や経済交流等、政策施策立案のための参考情報をまとめるといった業務です。経済面の重要度が高くなっているので、その点では3と被る仕事です。実際、3の業務のなかに市場リサーチが含まれることになります。

 

そのため、マーケティングや営業企画などの業務経験がある人間、経営企画経験がある人間が採用されるケースが多いようです。

 

『経営企画って何?』という人は、経営企画職求人ナビというサイトのなかにある、こちらのページが参考になるので、チェックしてみてください。

 

また、国際経済や国際政治に関して、深い知見を持つ人材が採用されることもあります。いずれにしても、何らかの分野におけるプロフェッショナルが就くようなポジションとなります。

 

5:運転手

大使館のお抱え運転手というのは、単純に車が運転出来るだけではなく、緊急時の対応能力や危険を察知する能力などが求められます。そのため、採用後は専門のトレーニングを受けた後、勤務に就くというケースが大半です。

 

たとえば、アメリカ大使館の場合、銃で撃たれた時の対応や道を車でふさがれた時の突破方法といったスパイ映画さながらの訓練を受けることになります。(トレーニングは、アメリカ本土で行われます。)

 

最近では、ハイヤー会社で大使館のスタッフを乗せるので、英語でのコミュニケーション能力が求められるといった求人が出ていますが、こういったドライバーとは根本的に違う役割が求められるのが、大使館付きの運転手です。かなり特殊な仕事と考えてください。(でも、ドライバーは公募されています。)

 

6:料理人

大使館専属の料理人です。プロの料理人として、優れた技量を身につけていないと採用されることはないので、誰もがそう簡単になれる仕事ではないのですが、募集自体は公募となっていますので、誰でも申し込むことが出来ます。

 

7:庭師

大使館や大使公邸の庭の手入れを行う庭師を専属で雇う大使館も存在します。雇われた場合には、住み込みで働くことが多いようです。最近では、外部の会社に業務を委託するようになってきているので、募集がかかるケースが少なくなりましたが、いまだに存在する仕事でもあります。